村上春樹の

はじめての文学 村上春樹

はじめての文学 村上春樹

村上春樹の短編集「はじめての文学 村上春樹」を買ってきました。村上龍バージョンもあるらしいんですが、そちらはまた別の機会に買いたいと思います。
タイトル通り、あまり文学(というか小説)を読んだことの無い若年層向けの本らしく、文字が大きかったりそれほど難しくない感じにルビが振ってあったりと、ホントに読みやすく仕上がってます。
掲載されている短編も、どれかの短編集に掲載されたことのあるものらしいんですが、短編集は3冊ぐらいしか持っていないため、「踊る小人」と「かえるくん」の話しか読んだことがなく、結構新鮮に楽しめました。
やっぱり若年層向けということなのか、話自体は「国語の教科書」に出てきそうな話が多かったです。字の大きさとかルビとか話の内容とか、全体的に小中学校時代に図書館で読んだ本を思いだしてちょっと懐かしい気分に。


村上春樹入門書としては最適かと。


グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)

グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)

読み終わってから書こうと思いつつ、ちょっとの間忘れていたのでついでに書いておきます。
グレート・ギャツビー読み終わりました。
読み始めのころは、登場人物の多さや背景が見えてこないことも手伝って、ややこしさばかりが目についたんですが、読み進めるにつれて「ジェイ・ギャツビー」のとりこに。一介の軍人から大金持ちになっても失われることの無い一途な思い、それを心の奥底に潜めつつじっと機会を待つしたたかさ、その思いが露見してしまうことで夢が儚く散ってしまうことを恐れる臆病さ、いざと言うときに見せる激情、そして主人公との友情など、「作られた人間」である「ジェイ・ギャツビー」が見せる、ふとした人間臭さがとてもイイ。
彼の生き方が良きにしろ悪しきにしろ、目的達成のために必死でもがく姿には心をうたれました。


良作です。皆さんが絶賛するのも分かる気がします。もう一度、もとい何度も読み返したい、そんな作品でした。