ライ麦畑とか

先週頭くらいに買ったキャッチャー・イン・ザ・ライを昨日読み終わりました。
と、その前に読んでたエンディミオンの覚醒の話から。

エンディミオンの覚醒〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

エンディミオンの覚醒〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

実はエンディミオンの覚醒は今月に入ったころに既に読み終わったんだけど、機を見てるうちにこんな時期に。
↓ねたばれ注意

未来世界で瞬間移動やら究極知性とかギデオン航法とかいかにもSFっぽいネタが多々あるにも関わらず、そこへ愛の力やら仏教的な思想とかが絡んでくる、この絶妙さがたまりませんでした。レイチェルとの別れ際の「シーユーレイター、アリゲーター」のくだりで泣きそうになったし、終わりかたもベタとはいえまぁまぁよかった。
強いて言えば「エンディミオンの覚醒」ってタイトルのくせに、覚醒するのは遅いし、覚醒してもあまり変わらないし、覚醒するのがエンディミオンだけじゃないし、タイトルに騙されたところもなくはないかな。

でもそれを差し引いても文句なし、実に良い作品でした。


キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション)

キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション)

で、先週読んでた「キャッチャー・イン・ザ・ライ」。言うまでも無い「ライ麦畑でつかまえて」の村上春樹バージョンです。
最初のほうはなれなれしいというかアホっぽい文体に嫌悪感も感じたものですが、それも束の間。もはや少年とも言えない歳ですが、途中以降は多感な少年ホールデンのやることなすことに共感しまくりました。常日頃から世の中に嫌気が差してる人が読めば、さらに世の中に嫌気が差しそうな、そんな本。世界ってホントに腐ってる。
なんかついつい突っ走ってしまいそうな、「やっちまえ!」な気分にさせられます。禁書になるのも無理はないです。
で、村上春樹繋がりでねじまき鳥を読み直そうと思ったんですが見当たらず、代わりに海辺のカフカを今日から読み直してます。じゃあちょうどその村上さんがフランツ・カフカ賞という名誉ある賞を貰ったそうで。確かにベッドで寝ながら聞いてた朝のニュースで村上春樹がインタビューを受けてたなー。
何か後付けっぽくてすごく悔しいんだけど、海辺のカフカを手に取ったのはホント偶然なんですよ。読み終わった本は整理せず(!)積みまくってるんですが、その中にねじまき鳥が見当たらず、出発寸前で時間もないから仕方なくてっぺんに乗ってたカフカをカバンに入れたというわけ。
理由はさておき、特に読みたい本もなくなっちゃったし、当分は手持ちの本を読み直すことになりそうです。


とにかく村上春樹さん、受賞おめでとうございました。(本人はあんまり気にしてないみたいだけど)