小野報道の虚実 日々変わる批判と称賛

欧州サッカー、およびそこでプレーする日本人選手に対する日本のマスコミの姿勢について。
ちょっと前(2月18日)の記事ですが、イイ記事だと思ったのでココにも載せておきます。

小野報道の虚実 日々変わる批判と称賛

 サッカーを愛するものにとって、大事にしているサッカーを片手で粗末に扱われるのは許せない。しっかりと両手で大事に扱わなくてはいけないだろう。
 とはいえ、時々僕もその基本を忘れることはある。だが、あえて乱暴に扱う人がいるのは悲しいことだ。

 フェイノールトの小野伸二について、オランダ発としてネガティブなニュース記事が日本の媒体で出て、心配している人もいるだろう。確かにそういう記事がオランダであったのは事実なので、それはそれで日本でもニュースにはなるだろう。
 しかし案の上、小野を批判したすぐ後日、その日本の媒体は絶賛している。あたかも「批判をバネに頑張った」的ノリだ。小野に都合が悪い記事の後、称賛する手法は半年前にもあった。

 小野については昨年の11月、オランダで批判記事が相次いだときがある。これはUEFAカップのフェレンツェバロシュ戦での小野のパフォーマンスが悪く、『フットボールインターナショナル』誌が批判記事を書いたら、他誌・他紙も続いたもの。
 僕もこの時期、小野に対してやや厳しい記事を書いたことがある。ただこの時は小野が休まずにほぼフルに出場していた。パフォーマンスが悪ければ、名門チームの中心選手として心地よい記事ばかりが載るわけでないのは当たり前のことだ。
 翻って今。小野は手術を受けた後で、徐々にプレー時間を増やしていく状況だ。だいぶ批判記事を出すタイミングはズレていて、このオランダメディアのデリカシーのなさを感じる。

 以上は感性の問題なので、取り扱いは媒体の判断にゆだねられる。しかし「小野がチーム内での評価が急落傾向だ」というのは本当なのだろうか!?
 フリットが先週行った記者会見を元に、僕が他媒体で書いた記事はこうだ。あとは読者の判断にゆだねたい。

<小野の負傷中、代わりにレギュラーとしてプレーしていたのはガリだった。
 しかしエジプト代表の遠征で負傷し、2〜3週間試合に出場することはできない。そのためフリット監督は「ガリの代わりにボスハールトか、パウウェがビレムII戦に出場する」と語った。
 オランダ人記者からは「小野ではないのか?」という質問が出た。
「小野はボールを奪うタイプじゃない」
 とフリット監督は答えた。
「小野は右のMF、もしくはホフスがプレーしているような真ん中のポジション(攻撃的MF)だ。
 今日は練習に参加できなかったが、明日(12日)には参加できると思う」
 と試合前日の小野の練習復帰を示唆した。フリット監督はホフスを「小野と同じようなFWにパスを供給できる選手」と見ており、ビレムII戦ではホフス先発で問題ないと見ている。
「小野はけががあり、不運もあって残念だ。小野は途中から出場したときにベストなプレーをしている。(昨年12月の)シャルケ04戦のようにね。そういうことをまずは目指す。これからはシャルケ04戦のようなプレーを90分間できるようになってほしい」
 とフリット監督は小野にエールを贈った>

  • Toru Nakata from Holland-

[ スポーツナビ 2005年2月18日 20:58 ]

中田の活躍以降、最近では小野を始めとするヨーロッパで頑張ってる選手の現状を伝えてくれるようになりましたが、この記事に書いてある通り、その正確性や伝える姿勢には疑問を感じるときもありますよね。最近では中田英の不調を大げさに書いたり、日本代表では国内組と欧州組の対立をあおるような記事を書いたり。
ニュースを読む側としても、全てを鵜呑みにせずしっかり吟味して読む必要があるなあ、と再確認させられました。もちろん、ニュースを伝える側が、事実を正確に述べてくれるのが一番なんですけどね。


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